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RIMS研究集会 幾何学・組合せ論に現れる環と代数構造
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場所: 京都大学数理解析研究所 111号室
日時: 2015年6月9日(火)午後~6月12日(金)午前
世話人: 阿部拓郎(京都大学) 村井聡(大阪大学)
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研究集会の概要
代数学は様々な形で発展を遂げてきています.
また, 代数を応用して, 他の分野の研究を行う, いわば手法としての代数学も, 同様に
様々な発展を見せています.
一方で,
これらの代数の多くは各々の分野で独自に研究されていて,
異なる分野間での交流の機会があまり有りません.
今回,
トーリック幾何・トーリックトポロジー・超平面配置・シューベルト計算・可換環論・表現論・代数的組合せ論などの代数を利用して研究を行う様々な分野の研究者間の交流の機会を作り出すことを目的とし,
本研究集会を開催します.
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プログラム
(pdf)
6月9日(火)
講演時間 |
講演者 |
タイトル |
13:30~14:30 |
和地 輝仁 (北海道教育大学) |
格子多面体の体積公式 |
14:45~15:45 |
浜野 銀次 (大阪大学) |
有限グラフに付随する辺凸多面体と2弱頂点充填凸多面体の探究 |
16:00~17:00 |
渡辺 純三 (東海大学) |
reflection group が作用する2次式完全交叉環 |
6月10日(水)
講演時間 |
講演者 |
タイトル |
9:30~10:30 |
佐藤 拓 (福岡大学) |
第二チャーン指標が正のトーリック多様体 |
10:45~11:45 |
中川 泰宏 (佐賀大学) |
非対称 Einstein・Kähler トーリック Fano 多様体について |
昼休み
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13:30~14:30 |
澤 正憲 (神戸大学) |
ある不定方程式系の解と準エルミート多項式の零点の有理性について |
14:45~15:45 |
奥田 隆幸 (広島大学) |
コンパクト対称空間上の符号理論と調和解析 |
16:00~17:00 |
盧 暁南 (名古屋大学) |
Some connections between neofields and combinatorial designs |
18:00~ |
懇親会 |
6月11日(木)
講演時間 |
講演者 |
タイトル |
9:30~10:30 |
吉永 正彦 (北海道大学) |
超平面配置とオイラー多項式 |
10:45~11:45 |
寺尾 宏明 (北海道大学) |
Ideal Free Theorem and Saturated Free Filtrations of Affine Weyl Arrangements |
昼休み
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13:30~14:30 |
阿部 拓 (大阪市立大学数学研究所,トロント大学)
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ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環と対称群の表現 |
14:45~15:45 |
池田 岳 (岡山理科大学) |
K理論的シューベルト・カルキュラスに現れるある環の構造について |
16:00~17:00 |
堀口 達也 (大阪市立大学) |
シュプリンガー多様体のシューベルトカルキュラスに向けて |
6月12日(金)
講演時間 |
講演者 |
タイトル |
9:30~10:30 |
斎藤 睦 (北海道大学) |
Jordan Lie 部分代数の変形 |
10:45~11:45 |
黒木 慎太郎 (東京大学) |
Root systems and symmetries of torus manifolds |
アブストラクト
(提供があったもののみ掲載しています。)
和地 輝仁 (北海道教育大学)
タイトル: 格子多面体の体積公式
Pickの公式 (1899) という格子多角形の面積公式があるが、Macdonaldはこれを高次元に拡張した (1964)。
本講演では、Pickの公式に類似する額賀の公式(1990) という面積公式を高次元に拡張する。
Macdonaldはエルハート多項式を利用したが、本講演でもエルハート多項式の類似物を利用する。
中川 泰宏 (佐賀大学)
タイトル: 非対称 Einstein・Kähler トーリック Fano 多様体について
本講演では、Nill・Paffenholz により構成された 7 および 8 次元の非対称な Einstein・Kahler トーリック Fano 多様体の例は、より高次元のものへと一般化できることを紹介する。
吉永 正彦 (北海道大学)
タイトル: 超平面配置とオイラー多項式
オイラー多項式は元々オイラーがゼータ関数の特殊値を記述するために導入したものであるが、様々な組合せ論的性質が研究されている。
最近明かになった、(A型の) Linial 配置と呼ばれる配置の特性多項式とオイラー多項式の関係を報告したい。
時間が許せば、ルート系に関する Postnikov と Stanley による『リーマン予想』(Linial 配置の特性多項式の零点が実部一定の直線上に並ぶ)の部分的結果を紹介したい。
(参考文献 arXiv:1501.04955)
阿部 拓 (大阪市立大学数学研究所,トロント大学)
タイトル: ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環と対称群の表現
ヘッセンバーグ多様体は旗多様体の部分多様・フとして定義され,
シュプリンガー多様体,ピーターソン多様体,ルート系に付随するトーリック多様体といった既存の部分多様体をその特別な場合として実現するものである.
また,regular semisimpleと呼ばれるヘッセンバーグ多様体のコホモロジーには対称群の表現が構成されている.
本講演では,regular semisimpleなヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環とregular nilpotentなヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環がこの対称群の言葉で結びつくことを見る.
また,このコホモロジーへの対称群の表現とグラフの彩色多項式との繋がりを与えるShareshian-Wachs予想との関連にも触れたい.
本研究は原田芽ぐみ氏(マクマスター大学),堀口達也氏(大阪市立大学),枡田幹也氏(大阪市立大学)との共同研究である.
池田 岳 (岡山理科大学)
タイトル: K理論的シューベルト・カルキュラスに現れるある環の構造について
対称多項式において,ふたつの変数を一方が他のマイナスになるように特殊化すると,
そのふたつの変数をともにゼロにするのと同じ結果になるとき,超対称多項式という(こともある).
超対称多項式のなす環の基底としてシューアの Q(あるいはP)関数という多項式族が有る.
シューベルト・カルキュラスの文脈では,これらはとても意味のある環と基底であることが知られている.
そのような話からはじめて,超対称多項式の K 理論的類似や,それに関連する話題について議論したい.
堀口 達也 (大阪市立大学)
タイトル: Some connections between neofields and combinatorial designs
シュプリンガー多様体は旗多様体の部分多様体で、そのコホモロジーは対称群の表現と密接に関係している。
一方、旗多様体のコホモロジーはシューベルト類が基底をなすことが知られている。
旗多様体のシューベルトカルキュラスとは2つのシューベルト類の積をシューベルト類の1次結合で書いたときの係数(以下、構造定数と呼ぶ)を決定し、
さらに組合せ論的な解釈を与え、具体的に計算することである。
シュプリンガー多様体から旗多様体への包含写像が導くコホモロジーの間の写像は全射であることが知られているので、
旗多様体のシューベルト類をシュプリンガー多様体に制限したものたちの中でどういうものがシュプリンガー多様体のコホモロジーの基底をなすかが問題である。
またそれらに関するシューベルトカルキュラスを行うことが目標である。現在、特別なシュプリンガー多様体のときに旗多様体のシューベルト類をシュプリンガー多様体に制限したものたちの部分集合でコホモロジーの基底をなすものが得られた。本講演ではその結果について説明したいと思う。
本研究は阿部拓氏(大阪市立大学数学研究所、トロント大学)と原田芽ぐみ氏(マクマスター大学)との共同研究である。
黒木 慎太郎 (東京大学)
タイトル: Root systems and symmetries of torus manifolds
A torus manifold is the notion introduced by Hattori and Masuda as a topological generalization of toric manifolds, which defined as a 2n-dimensional connected closed smooth manifold with a smooth effective action of an n-dimensional compact torus having a fixed point.
In this talk, we study which compact connected Lie group G can be an extended action of the torus action on a torus manifold.
To characterize such G, we associate a root system to a finite set in a free abelian group and show that its irreducible subsystem is of type A,
B or D. Then, we apply this general result to a torus manifold and show that a simple factor of such G is of type A, B or D.
This is a joint work with Mikiya Masuda.
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懇親会について
6月10日に懇親会を行います.
参加をご希望の方は6月5日までに下記問い合わせ先にご連絡下さい.
懇親会費は3千円程度を予定しています.
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講演者の方へ
会場では黒板, 書画カメラ, プロジェクターがご利用頂けます.
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問い合わせ先
阿部 拓郎
京都大学大学院工学研究科
e-mail: abe.takuro.4c ( A T ) kyoto-u.ac.jp
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